キャンプ場やBBQ場は、周りに日陰の無い環境。
そのままだと暑いし、日焼けも気になります。また、テントだけでは食事の際、少し狭く感じてしまいます。
そこで活躍するのがタープです。
タープがあれば、日光を気にせず過ごせる、開放感のあるリビングスペースを作ることができます。
でも初心者の方からは「種類が多くてどれを選べばいいかわからない」「自分だけで立てられるか不安」という声をよく耳にします。 実は、タープはコツさえ掴めば、誰でも簡単に設営することが可能です。
本記事では、タープの代表的な種類から、失敗しない基本的な設営方法までをわかりやすく解説します。
1.なぜタープが必要なの?

「テントがあれば十分じゃない?」と思うかもしれませんが、実はキャンプ時間の大部分を過ごすのはテントの外。
タープは、キャンプをさらに快適にする3つの役割があります。
1-1.開放感のあるリビングスペースが作れる
テントの中は、基本的に火気厳禁。
食事を作るのも食べるのもテントの外で行うことになります。
日差しが強い屋根のない野外での食事は、熱中症と日焼けの心配があります。
そんな時にタープがあれば日差しを気にせず調理や食事が楽しめます。
また、突然の雨でも調理や食事が中断されません。
開放感もあり、食事後もゆっくり過ごすことができて快適です。
1-2.夜露から道具を守れる
前室付の広いテントなら中にギアをしまうことができますが、そうでない場合は外に出しっぱなしになります。
そのままだと夜露で道具が濡れてびしょびしょになってしまいますし、盗難の危険もあります。
夜間にタープの下にギアをまとめておけば、翌朝、夜露でキャンプ道具がびしょ濡れになるのを防げます。
また、タープからポールを外して幕を下ろし、幕で道具を守るようにペグで固定しておけば、盗難防止にもなります。
※高価なギアや小さいギアなどは車やテント内にしまいましょう。
2.知っておきたいタープの種類
ひとくちに「タープ」と言っても、いろんな種類のものがあります。 どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いと思いますので、簡単にご説明いたします。
2-1.イベントタープ・ワンタッチタープ
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設営のしやすさ ★★★
収納性 ★☆☆
伸縮式のフレームを広げて屋根を取り付け、本体とロープを固定するだけで設営できます。
利便性は抜群で、フレームもアルミのものが多いため、見た目よりも軽くなっています。
撤収も簡単なので、アウトドアに限らず、多彩な使い方ができます。
運動会やフリーマーケットなどのイベントでも見かけることが多いのではないでしょうか。
簡単な反面、壊れると個人では修理が難しいことや、収納がかなり大きいため運びにくいのがデメリットです。
2-2.スクリーンタープ

設営のしやすさ ★☆☆
収納性 ★★☆
スクリーンタープは「床のないテント」で、「フロアレスシェルター」とも呼ばれます。
全方位から雨や日差しを凌ぐことができるうえ、メッシュパネル状態にすれば通気性も開放感も抜群。
しかも、春夏に困る不快な害虫の侵入も防げるので、段違いに快適です。
入り口を全て閉める(フルクローズ)こともできるため、プライバシーも守れます。
空間が広いため、大人数でのファミリーキャンプやグループキャンプにおすすめです。
とても便利ですが、いわゆる「大きなテント」なので設営には時間がかかります。
テントと一緒に使おうと思うと設営時間は倍以上になってしまうことも。
また、収納サイズも大き目で積載スペースを大きく取ってしまいます。
2-3.スクエアタープ・レクタタープ

設営のしやすさ ★★☆
収納性 ★★★
スクエアタープは、正方形(square:スクエア)のもの。レクタタープは、長方形(rectangle:レクタングル)のものです。
どちらも四角形の布と、2本のポールとロープで設営するオープンタープのことで、基本的な設営方法は同じです。
大型の場合はメインポール2本の他、少し低めのサブポールが4本必要なものもあります。
カバー面積が広く雨や日差しからしっかり守ってくれるうえ、設営や撤収も比較的簡単です。
布とポールとロープだけで構成されているので、収納性も良いのがメリット。
一方で、面積が広い分、通常の張り方だと、風の影響を受けやすくなっています。
強風にあおられると倒れたり飛ばされてしまう恐れがありますので、注意が必要です。
2-4.ヘキサタープ(ヘキサゴンタープ)
設営のしやすさ ★★★
収納性 ★★★
六角形の形状をしている布と、2本のポールとロープで設営するオープンタープのことです。
スクエアタープやレクタタープより日陰になる面積は狭くなりますが、風の影響を比較的受けにくいのがポイント。
大型の物でも設営しやすく、初心者の方でもコツさえつかめば簡単に設営できます。
こちらの設営方法については後ほどご説明いたします。
3.設営前に必ず確認すべきこと

タープを購入したら即フィールドで設営したくなりますが、その前にポールやロープ、ペグが付属しているか確認しましょう。
大手メーカーでもポールやペグが別売のことも多く、中にはタープ用の布だけで販売されている物もあります。
また、ペグが付属していても、プラスチックやアルミの細いペグで固い地面に刺さらないこともあります。
そのまま持っていくと現地で全く設営できないという事態に陥りかねないので、必ず確認しておきましょう。
付属していなかった場合、何をどう購入すれば良いかをご説明します。
3-1.ポールの選び方(種類・長さ・素材など)
ポールにはメインポールとサブポールがあります。
メインポールは、タープを張る際に欠かせないポールです。
「支柱」の役割を担うため、風の影響やタープの自重などの負荷を受けます。そのため、強度が必要になります。
大型タープなら、ポール径が30mm以上の太いものを選びましょう。
ソロ用の小型タープなら、ポール径がそれより細めでも問題ありません。
サブポールは、大型のスクエアタープやレクタタープを使用する時や、タープの張り方をアレンジする際に使用するポールです。
こちらは、メインポールより少し細身の物でも大丈夫です。
▼ポールの太さと長さはどう選ぶ?
メインポールの太さと長さを選ぶ際のポイントは『使用するタープの大きさ』です。
1辺が4m以上ある大型タープは、最低でもポール径25mmのものを選びましょう。
コットン素材の場合はタープの重量が増加しますので、さらに太いポール(30mm以上)だと安心です。
大型タープを使用する際は人数も多いため、立って移動することも多くなります。
メインポールの長さは、タープ下で立った際にストレスなく過ごせることを目安にします。
一般的には240cmぐらいです。販売数も最も多く、選びやすいでしょう。
少人数向けの3m程度の小型タープであれば、ポール径が25mm以下のポールでもOK。
ソロ用の小さなものなら、太さ19mm程度の物でも問題なく使えます。
高さは好みによりますが、ハイスタイルなら240cm程度、ロースタイルなら180~200cm程度がちょうどいい高さです。
▼ポールの素材はどう選ぶ?
ポールの素材で一般的に販売されているものは、大きく分けてスチール、アルミニウム合金、木製の3種類です。
【スチール】
メリット :強度が高く、ポールの中では一番安価
デメリット:錆びやすく重い
強度や価格重視の方におすすめ。荷物を軽くしたい方には向いていません。
【アルミニウム合金】
メリット :軽くて強度も高い
デメリット:価格が高い
強度と軽さのバランスが非常に良いため、軽さ重視の方におすすめ。
お値段が少し高めなので、費用を抑えたい方には向いていません。
【木製】
メリット :見た目が良く、雰囲気が楽しめる。コットン素材と相性抜群。
デメリット:重い、湿気に弱い
非常におしゃれなので、見た目重視の方におすすめ。
ただ湿気に弱く、雨の日は特に水分を吸収して膨張したり、カビの原因にもなります。
初心者や手入れが面倒だと思う方には向いていません。
初心者の方は、スチールかアルミニウム合金を選びましょう。
迷ったときは多少高くても、アルミニウム合金を選ぶのがおすすめです。
▼その他のポイント
ポールの連結(接続)方法は、大きく分けるとプッシュボタン式(ラチェット式)・ショックコード式・伸縮式のいずれかです。
ショックコード式は高さ調節ができないのが難点。
伸縮式(突っ張り棒のようにポールをひねって伸縮させるもの)は強度が劣るので、避けた方が無難です。
プッシュボタン式(ラチェット式)なら、気分や風の強さなどに合わせて高さ調節もでき、強度もあります。
迷ったときはプッシュボタン式(ラチェット式)を選びましょう。
タープポールを選ぶ際は、収納サイズもチェックしましょう。
持ち運びやすいのは、70cm未満のものです。
ポール1節が60cm〜70cm程度のものを選ぶようにすると間違いありません。
3-2.ロープの選び方
▼ロープの太さ
タープ設営に必要なロープは、太さ4~6mmのものになります。
6人ぐらい過ごせるほどの大型タープを立てる場合は、5mm以上の物を選びましょう。
▼ロープの長さ
結論から先に言えば「長さはかなり必要」です。20mのものが2巻ぐらいは必要になります。
どういうことなのか、実際に計算してみましょう。
①ポール一本あたりに必要な長さ
まず、メインポールに引っ掛けるロープの必要な長さは、ポールの高さとロープを張る角度で変わります。

図のように、地面とロープの角度が45度の時よりも、30度の時の方が長さが必要になります。
しかし、角度を30度にしてしまうとスペースをかなり大きく取ってしまいますので、現実的には45度が適切です。
これに加えて、結び目の長さ+自在金具の「折り返しの長さ」も考慮しなくてはなりません。
大体1m強ぐらいの長さの余裕をみておくと、ほぼ問題ありません。
心配な場合はもう少し長めにしておきましょう。
ざっくり計算すると、メインポール用には4~5mが必要になります。
サブポールやコーナー用はメインポールより低くなるので、3〜4m程度です。
②必要なロープの本数も考える
メインポールは、熟練キャンパーならポール1本につきロープ1本でも設営できます。
しかし、初心者は二股にした方が設営しやすいので、ポール1本につき2本分の長さが必要になります。
これに加えて、サブポールやコーナー用に、最低でも4本は必要になります。
高さ240cmのポールと180cmのサブポールでレクタタープを張ると仮定してみましょう。
メインポール用:おおよそ5m×4本(二股にするため、ポール1本につき2本分のロープが必要)
サブポール用 :おおよそ4m×4本
メインポール用に20m、サブポール用に16mのロープが必要です。
ヘキサタープの場合でも、各コーナーにロープを取り付ける必要があります。
以上のことから「20mのものが2巻ぐらいは必要」になります。
▼その他のポイント
ロープには自在金具を取り付けておく必要があります。ロープの本数分、自在金具を購入して取り付けましょう。
メインポール用のロープには、ロープの先(自在金具を取り付けた反対側)に「もやい結び」で輪っかを作っておきましょう。
コーナー用の短いロープは、タープに「もやい結び」で取り付けておきましょう。
※サブポールを使用する場合はメインポール同様、輪っかを作っておきましょう。

3-3.ペグの選び方
ペグ選びの基本は「長さ」です。ペグの長さによって刺さりの深さ、つまり固定力が変わります。
タープはテント以上に風の影響を受けてしまいますので、テント用よりも長いものを選びます。
大型タープのメインポール用なら、40~50cmぐらいの長さ。
ソロ用、小型の軽量なタープであれば、30cmぐらいでOKです。
地面が硬い時のことも考えて、ジュラルミンやステンレス鋼、鍛造ペグなどの頑丈なペグを用意しましょう。
4.【実践】ヘキサタープの基本設営ステップ
タープ本体とポール・ロープ・ペグが揃えられたら、いよいよタープの設営です。
ここでは初心者でも失敗しにくいヘキサタープの設営方法をお伝えします。
ヘキサタープが設営できれば、スクエアタープやレクタタープも応用で設営できます。
※【注意】大型タープの場合は風の影響を受けやすいため、二人以上で設営しましょう。
4-1.設置場所を決める
初めに、タープを地面に置き、設置箇所を決めます。
設置箇所が決まったら、タープが風で飛ばされないように、折り目の部分のループを軽くペグダウン(ペグで地面に固定)して、仮止めしておきます。

4-2.ロープのペグダウン位置を決める
次に、ロープのペグダウン位置を決めます。組み立てたポールを折り目の直線上に置きます。
グロメット(差込金具)の上にポールの先端が来るイメージです。

直線上に置いたポールを一度立てて、90度の角度に倒します。
直角二等辺三角形の頂点の部分(丸の部分)にペグをしっかり打ち込みます。
逆方向にも倒して、ペグを打ち込みます。

これできれいに45度の角度が作れます。
もう片方も同様に、ポールを利用して等間隔の距離にペグを打ちこんでおきましょう。
4-3.ポールにロープを引っかける
再度、タープのグロメット(差込金具)に、ポールの先端を差し込みます。
メインポール用に用意したロープ2本の輪っか(自在金具がついていない方)を幕の上からポールの先端に引っ掛けます。
※タープ付属のロープが元々二股になっている場合は、二股の頂点の輪っかを幕の上からポールに引っ掛けます。
両サイドともポールにロープを引っ掛けておいてください。

4-4.ペグにロープを引っかけてテンションを調節する
先ほどペグを打ち込んだ部分(4箇所全て)に自在ロープの先端(輪っかになった部分)を引っ掛けます。
引っ掛けたら、テンション調整をします。
ロープを持ち上げてみて、腰の高さぐらいでピンと張るぐらいが丁度良い目安です。

▲これぐらいの張り具合にロープを調節する
4-5.ポールを立てる
タープを仮止めしていたペグを抜き、ポールを立てていきます。
この時、外側から内側へ押し込んで立てないようにしましょう。
無理に中に押し込もうとすると、ポールが曲がったり折れたりします。
一旦ポールをタープ内側へ斜めに持っていき、内側から外に押すようにしていきます。
こうすると、力を入れなくてもポールが立てやすいです。

片方が立ち上がったら、反対側のポールも立てていきます。
先ほどと同様に、内側から外側へ押すように、ポールを立てていきます。
※大型タープは、既に自立している側のポールが不安定になることがありますので、もう一人が支えておいてください。

▲両側のポールの根元が少し内側に入るように調整すると、きれいに立てられます。
4-6.各コーナーのロープをペグで固定する
タープが自立したら、全体を広げていきましょう。
タープに「もやい結び」で取り付けておいたロープを、タープが張るようにした状態で引っ張ります。
グロメットの方向に真っ直ぐロープを引っ張りましょう。

四隅すべてのロープをペグダウン(地面に固定)して、自在金具でテンション調整をしたら完了です。

まとめ
タープは日陰のないキャンプフィールドに屋根を作り、快適なリビングスペースを作るのに欠かせないアイテムです。
初心者の方は、スクエアタープやレクタタープ、ヘキサタープなどは設営が難しそうに思われるかもしれません。
しかし、本記事でご紹介した通り、ヘキサタープは、初心者の方でもコツさえ掴めば比較的簡単に設営できます。
そのためには、適切なポール・ロープ・ペグを用意することも重要です。
最初から完璧を目指さず、まずはご紹介した手順通りにチャレンジしてみてください。
一度設営できれば、日差しや雨を気にせず、開放感のある快適なリビングスペースで過ごせるようになります。
この記事を参考に、ぜひ次のキャンプでタープ設営に挑戦してみてください。